ハーレーダビットソンのラインナップの中でも、今なお高い人気を誇る名車、ローライダー。
その歴史の始まりのモデルである77年式FXSは、ショベルヘッドを搭載した最初のローライダーです。

生産されてから30年という時を経て、長年の走行による痛みを治し、これからも走り続ける為に、現在のオーナーの依頼により、フレームオフのレストアをしました。
今回は、オーナーのオートバイという物に対する考え方と私の考え方を色々話し合った結果、テーマは「ローライダーの基本デザイン・ディテールを損なわない様にしながらも、傷んだパーツや修理の技法等に現代のテクノロジーを投入する」という、当時のままに再生するのではないレストアの手法に決まりました。

ピストンのWPC加工、フライホイールの軽量化、部品の加工精度の向上、入念なバランシングによるスムーズで鋭いレスポンス、伸びやかな加速、高速巡行時の不快な振動の軽減等。。。扱いやすさと耐久性を重視しタフなエンジンに仕上げました。
排気量もカムもスペックはノーマルですが、オーナーの走った感想は「このエンジン、どこまで伸びるんだろう?? 130km巡行だったら全然余裕があって、まだまだいけるね!壊れる気せんもんね。」との事でした。ミッションや車体に関しても、同じコンセプトでの仕上げ方により、流れるようなシルキーな走りを実現しました。

リアサスペンションを高性能なオーリンズに変えたことで、路面に吸い付く様な走り心地です。
バッテリーチャージシステムは、ショベル用28Aを使わず、バッテリー充電の安定性と出先でトラブったときの手に入れ易さでEVO用32Aを使いました。

オーナーにとって一番気持ち良く走れる仕様にするって、とても大事な事です。レストアもカスタムもチューニングも色々な切り口があって、本当に奥が深いです。乗り物趣味は、深く追求していくと、底なしに深く、面白いです。

 
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